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第148回 [Easy Living/代表] 葛西康人さん


    

    
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オリジナルやオーダーメイドの木製家具を製造・販売しているEasy Livingは、この春、仕事場を青森市から弘前市百石町に移した。新しい仕事場のすぐそばを流れる土淵川では、水浴びをするカルガモや、沿道をジョギングする人の姿が見られ、のどかな風景が広がっている。代表の葛西さんにお話を伺った。
    
    
心地よい暮らし
    
あなたと愛し愛される生活はとても心地よい、と歌ったジャズの名曲“イージー・リビング”。恋愛に限らず、ものづくりの場面においても、作る人がいて、使う人がいて、お互いの信頼関係によって愛着ある製品が生まれる。流通や情報化が発達した現代では、生産者と消費者の関係は間接的なものになってしまったが、ほんの数十年前までは、両者の顔が見える関係の方が当たり前だった。
「今は隅っこに追いやられているような、なんでもない古い机や椅子をよく見てみると、地元の材料で地元の職人が作ったものだったりするんですよ。昔は地域の中でちゃんと、ものをつくる仕事が成立してたんですよね。それが今の感覚では『好きなことしていいなあ』と言われることがあって、どうも職業として認められてないのかなと感じています。小さな家具屋が食べていくのは確かに厳しいですけど、時間をかけて地道にコツコツやっていこうと思ってます」。
製作のかたわら、一般の人がものづくりに触れる機会にも積極的に参加。イベント出展やワークショップのほか、昨年からは小学校で木工クラブの講師を務めている。「子どもたちには、世の中にはすごい人がいっぱいいるよ、という話をしました。このきれいな革を張った椅子だって、地元の職人さんが作ってる。大きな夢を叶える人もかっこいい、それと同じように、身近な人の素晴らしさにも目を向けて欲しいという思いがあります」。身の回りの“もの”の背景にどんな物語があるのか。それを捉えることができたら、日常はもっと豊かなものに見えてくるかもしれない。
    
    
続けることが大切な仕事
    
葛西さんが家具に関心を持ったきっかけは、大学時代に出会ったイームズの椅子だった。
当時はミッドセンチュリーのデザインが流行し、特にイームズを代表するシェルチェアは様々なメディアで取り上げられ、一般にも広く知られるようになっていた。「あるとき実物を見かけて、なんとなく座ってみたら、包まれるような感覚に感動して。それがずっと印象に残っていて、いつかこういう家具を作ってみたいと思うようになりました」。
大学卒業後、一旦はエンジニアとして就職。工業製品を製造する設備の開発に携わるも、家具への思いは強くなる一方だった。休日になると大鰐町の手作り工房『わにもっこ』へ車を走らせ、製作技術を学ぶ日々。「サラリーマンだった8年間は、ずっとくすぶってましたね。会社の仕事は、製造業を支えるとても大事な仕事で、楽しい事もたくさんありました。でも今の時代は、製品のサイクルが非常に短くて、作ってもまたすぐ次、という繰り返し。そのサイクルが自分には合わなかったんです」。
理詰めで考える慎重派タイプの葛西さん。安定した会社勤めを続けるか、リスクのある職人の道を選ぶのか。長い葛藤の末、30歳の節目を転機にした。
「やるならそれがタイムリミットだと思ってました。ずっと相談していたわにもっこの親方にも『やってまれ〜』と背中を押してもらって(笑)。オーダーメイドの仕事なら、お客様と最初から最後まで向き合える。自分はそちらをやってみようと」。
オーダーメイド家具の特徴として、人生の節目に注文されることが多い。いつか家を建てたら、子どもが入学したら、葛西さんに家具を作ってもらいたい、という声をよく耳にする。「長いスパンでお客様を待つことになるので、とにかく続けていくことが一番大事。今出会った人が、いつかお客様になってくれる日を楽しみに、末長く頑張っていきたいですね」。
    
    
Easy Living
弘前市百石町44-1
Tel / Fax. 0172-35-8320
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2011年11月25日